2017-01-01から1年間の記事一覧

夏の日

深夜 新宿中央公園暗闇を支配する蝉の声 濡れたシャツに涼しい風かすかにタバコの匂いを連れてくる 生きていることを忘れ死んだように費やす僕たちの当たり前の毎日 夏の日の輝きは過ぎ去ったら消える儚い光だった蝉時雨 聞こえてるただ夢中で生きるそれが僕…

くじら

混沌と怒りのごった煮の満員電車 新鮮な空気求め 海面に浮上する クジラの背中 夜明けの沖合で キラリと光る ビル群の影が 切りとられた影絵 喜びが苦悩から出ずるものなら 悲しみこそ幸福の始まり 青空に潜水して 透き通ってく心で 何もかも 脱ぎすてるから…

季節

迷子の風が踊り場で 木の葉と戯れる コーヒーをカイロ代わりに 愛しい人を待つ一刻 朝冷えの透明な空と金色 街路樹 ハロウィンからクリスマスへ クッキーをコートに忍ばせて 赤い実ついばむ小鳥 せまる冬に備えて ふるえる寒さの中だから 温かさに気づける …

家路

特急までの少しの時間で君の好きそうなお菓子を探してる 離れてた時間にありがとう 大切なものがよくわかるから 車窓を過ぎる集合住宅の 透明な窓ガラスは同じオレンジ色 帰る人も待つ人も同じ夕焼けの中 誰ともくらべられない 僕だけの毎日を 汗を流し悩み…

美しい夕立

西の空の鮮やかな赤 労うように優しく広がる 缶コーヒーが緊張の糸ほどく 本当に辛いときに 辛いと溢せてよかった 永遠なんてどこにもなく さっきまでの茜空も 夜の青さに飲まれていく いま顔を見られたら嫌かなと 目は合わせないようにして 君が生まれて抱…

朝が来る

東の空が白む頃 町はしっとり動き出す 鳥たちは群れになり 夢中で空を翔けまわる 始発の音がこだまして これから迎える1日に 心も弾んでいる どれだけ小さなことにも 美しさを見つける ここにいていいと 誰もがゆるされているのだから 君はなにかしようと …

Love is ...

Love is doing small things with great love. Little things are indeed little, but to be faithful in little things is a great thing. We cannot do great things. But we can do small things with great love. It is not how much we do, but how muc…

光と影

家族と一緒にいるおれ 仕事中のおれ 全然ちがうと友人が言う 仕事中は 頭から煙を出し 右往左往し 窮屈そうで 怯えきっているんだとか 3年間 そんな中にいる そうなると分かっていて なぜおれはこの世界に 飛び込んだのか 世間を知りたかったから 命のことを…

誰のためか

なぜ誰かの役に立ちたいのだろうか よい人間と思われたい 感謝されたい 嫌われたくない 自分を嫌いになりたくない いい人と自分で自分を思いたい その人の大変さがよくわかる 誰かが助けてくれたときの ありがたさがよくわかる 光と影が入り乱れる ただ困っ…

右手が左手を傷つける

医療現場で 若者ひとりの命を なんとか取り止めるために 毎日 数十人の手が 毎日 数十本の点滴が 絶えず関わっていく 同じとき ミサイルを作るために 毎日 数百人の手が 絶えず関わっていく 戦争によって傷ついた人は どうやって生き延びれるのか 金持ちの国…

Family Song

そっと玄関で靴を脱ぎ 風呂に入り歯を磨き 今夜も寝顔を眺めてる 窓の外が白けるころには 君を残しまた家を出るよ 何のために頑張るのか 難しい問いだけれど 君との時間とぬくもり 愛とはそばにいずとも あり続けると信じて いや祈って 君は知らないだろうけ…

人は永遠ではない 病いは孤独 家族は幻想 人はそれでも生きていく わかってもらえない自分を抱えて 刹那にほころんだ 柔らかな微笑み 失うことと背中合わせで ものごとの価値は高まる 携帯を睨む僕らの 背中で夕陽が燃えている 雲は金色に染まる 愛するとは …

喜び

苦しみってやつが やってくると 逃げられない もうやるしかない 生きるしかない きっと人は その時その時 どんな嵐の中でも 本当は生きたくて もがき苦しむ 大切な人や 大切な物を 失うようなことは この人生ってやつでは 必ず起こる わかっているのに 見て…

価値基準

当たり前に ご飯を食べ眠り 仕事があり お金を使う自由がある 当たり前に くだらないことを言い 愚痴をこぼし ケンカをし 子どもの笑顔を見れる お腹いっぱいでこれ以上 食べれない そのものが充足していると そのものの価値は下がる 暗闇が深いほど 星は強…

懐かしい風

ただ努力から逃げているだけだ 慰めてほしいだけだ 頑張っていると認めてほしいだけだ 他人のせいにしているだけだ 期待しているだけだ それが不都合だと 被害者顔をするだけだ いい人の仮面をかぶる そういう自分が好きだから 自分が悪いと嘆く その方がい…

なぜ

生きることに希望を持てない そんな出会いがたくさんある 人生は容赦なし 人は人に無関心でありたい 可哀想な自分を理解してくれる 誰かを探し 気づきたくない 自分の過ちに 嘆き苦しむ人たちを 見ないようにして 毎日を淡々とこなす 直視したら 人生を楽感…

最高の自分

一生懸命に毎日をやりとげ 無駄には悩まない 無欲で 安易に期待はせず ただ今やることをやる 挨拶ができ まわりをよく見ていて 朗らかである 素直に喜べて 当たり前に感謝でき 生きていることの 輝かせ方を知っている そして 誰かの生きていることを 輝かせ…

祈り

今ある大切さを噛みしめるような 生き方をせずに 僕は毎日なにをしている あの時あったものは今はなく 今あるものもいつかはない 瞼に浮かぶ君よ 君がいてくれて嬉しい 伝えても伝わらない 言うだけでは叶わない 僕はどう生きる 大切な人を大切だと伝えてい…

歩くよ

風に髪をかきあげ 眩しさに目を細め 歩くよ 新しい道を 額をつたう汗 口からこぼれる歌 歩くよ 新しい朝を 誰の声も聞こえない 自分のために 歩くよ 新しい自分と いつか いつの日か これでよかったと 振り返ることがあったら きっとすべて 許せるから いま…

蝉時雨

夜の新宿中央公園 目には見えない蝉時雨が 暗闇を支配する 生暖かな風が茂みを揺らし かすかにタバコの匂いがする 生きていることを忘れて 死んだように毎日を費やす 夏の日の輝きのように 一瞬でもいいから ボールを追いかけたあの頃のような 意味があるか…

ある雨の日

一輪の花が雨に濡れている 子どもは折り紙をしている 庭で姿ない蛙は声だけで 今この時を喜んでいる 台所でキャベツの味噌汁 鍋が吹くカタカタと 玄関先で傘をたたむ影 ただいまの落ち着いた響き 子どもの足音 ノリのついた指先 出しっぱなしのオモチャ 裏返…

泳ぎ疲れて

恐れを抱いている 未来を恐れているのだ 責任で重みを増した肩をまわし 多重に積み重なった未解決の事案を ひとかき ひとかき 自分はどこにいるのか 広大な海に投げ出され 自分がどこにいるのか見えない 日が暮れかかる 非難や落胆のため息が聴こえる 何事も…

息子

かわいいかわいい息子の 頭から血がしたたり 腫れ上がった瞼は紫に 額に優しく唇をあてた母親は どれほどの愛おしさを 持ち合わせていただろうか 最後のときは まるで出産のときの 家族写真のよう 母に顔をなでられ 父に手を握られていた 最後のとき二人を待…

おくりびと

毎日 目の前で人が旅立っていく わたしは最後を生き抜いていく その人たちの傍らで 右往左往している 救急は命を救う場所なのか 生き長らえた人たちは 様々なものを失う 意識 体の自由 意思を伝える術 様々なものを得る 苦痛 恐怖 罪悪感 生きることは残酷だ…

通勤列車に乗り込んでは降りていく 人 人 人 生まれてから今この瞬間まで 積み重ねたそれぞれの歴史の上にいる それぞれの暮らし 新宿のビルの隙間を 行き交う 人 人 人 皆どこへ向かうのだろう 自分のこれまで歩みを 振り返っても長く 特別のような自分の世…

欠落

雨上がりの新宿の 水溜りの青空 行き交う人に踏まれて 光って 人はビルに吸い込まれ 街に働かされて 考えることを忘れ 笑って 気づいていますか 光と翳りは 移ろうものだから open your mind いつからか私は 明日に期待するのをやめて さよなら誰のための私 …

コントラスト

祈りのピアノ 静寂の月夜 アイスグラス 雫をまとい 乾杯の余韻に 浸ってた 喧騒からの静寂 雲間からの光 満員電車 空へと抜け出せ 心は青空にさらして 太陽の匂いがするまで 残酷 冷徹 無理解 その上で 一握りの希望が煌めいている コントラスト

愛は旅をする

心の色が明るくなって 微笑みが生まれた うまくいかない体が じれったくて 大きな声を出した 抱き上げられる安心と ひとりぼっちの不安 君は存在している でもまだ君を知らない ずっと君のそばにいる でも君は僕が誰か知らない 僕の名前は安心 ときどき喜び …

自己

慰めが何になるというのだ いっときの癒しでしかない 無責任 怠惰 自己憐憫 蹲っていて何の役に立つのだ 自己を正当化し 相手の気持ちを理解できない 責める方 責められる方 本当はお互い様なのである わたしは正当か 特別か わたしは加害者か 被害者か 足は…

不明瞭な命

救いたい 助けたい 言葉は若干の甘みを含み 停止した体は壊れているが 命だけが再開される それをコントロールしてると 勘違いしながら 自分は誰かを助けていると そう願っている わたしは誰も救っていない むしろ自分さえ助からない しくみやルールを 身に…