2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

なぜ

生きることに希望を持てない そんな出会いがたくさんある 人生は容赦なし 人は人に無関心でありたい 可哀想な自分を理解してくれる 誰かを探し 気づきたくない 自分の過ちに 嘆き苦しむ人たちを 見ないようにして 毎日を淡々とこなす 直視したら 人生を楽感…

最高の自分

一生懸命に毎日をやりとげ 無駄には悩まない 無欲で 安易に期待はせず ただ今やることをやる 挨拶ができ まわりをよく見ていて 朗らかである 素直に喜べて 当たり前に感謝でき 生きていることの 輝かせ方を知っている そして 誰かの生きていることを 輝かせ…

祈り

今ある大切さを噛みしめるような 生き方をせずに 僕は毎日なにをしている あの時あったものは今はなく 今あるものもいつかはない 瞼に浮かぶ君よ 君がいてくれて嬉しい 伝えても伝わらない 言うだけでは叶わない 僕はどう生きる 大切な人を大切だと伝えてい…

歩くよ

風に髪をかきあげ 眩しさに目を細め 歩くよ 新しい道を 額をつたう汗 口からこぼれる歌 歩くよ 新しい朝を 誰の声も聞こえない 自分のために 歩くよ 新しい自分と いつか いつの日か これでよかったと 振り返ることがあったら きっとすべて 許せるから いま…

蝉時雨

夜の新宿中央公園 目には見えない蝉時雨が 暗闇を支配する 生暖かな風が茂みを揺らし かすかにタバコの匂いがする 生きていることを忘れて 死んだように毎日を費やす 夏の日の輝きのように 一瞬でもいいから ボールを追いかけたあの頃のような 意味があるか…

ある雨の日

一輪の花が雨に濡れている 子どもは折り紙をしている 庭で姿ない蛙は声だけで 今この時を喜んでいる 台所でキャベツの味噌汁 鍋が吹くカタカタと 玄関先で傘をたたむ影 ただいまの落ち着いた響き 子どもの足音 ノリのついた指先 出しっぱなしのオモチャ 裏返…

泳ぎ疲れて

恐れを抱いている 未来を恐れているのだ 責任で重みを増した肩をまわし 多重に積み重なった未解決の事案を ひとかき ひとかき 自分はどこにいるのか 広大な海に投げ出され 自分がどこにいるのか見えない 日が暮れかかる 非難や落胆のため息が聴こえる 何事も…

息子

かわいいかわいい息子の 頭から血がしたたり 腫れ上がった瞼は紫に 額に優しく唇をあてた母親は どれほどの愛おしさを 持ち合わせていただろうか 最後のときは まるで出産のときの 家族写真のよう 母に顔をなでられ 父に手を握られていた 最後のとき二人を待…

おくりびと

毎日 目の前で人が旅立っていく わたしは最後を生き抜いていく その人たちの傍らで 右往左往している 救急は命を救う場所なのか 生き長らえた人たちは 様々なものを失う 意識 体の自由 意思を伝える術 様々なものを得る 苦痛 恐怖 罪悪感 生きることは残酷だ…

通勤列車に乗り込んでは降りていく 人 人 人 生まれてから今この瞬間まで 積み重ねたそれぞれの歴史の上にいる それぞれの暮らし 新宿のビルの隙間を 行き交う 人 人 人 皆どこへ向かうのだろう 自分のこれまで歩みを 振り返っても長く 特別のような自分の世…