通勤列車に乗り込んでは降りていく
人 人 人
生まれてから今この瞬間まで
積み重ねたそれぞれの歴史の上にいる
それぞれの暮らし
新宿のビルの隙間を
行き交う
人 人 人
皆どこへ向かうのだろう
自分のこれまで歩みを
振り返っても長く
特別のような自分の世界
みんなそれを持っている
時に私は
目にする人々に
それぞれが内包する歴史や
特別な世界を
軽んじている
まるで皆を
自分の世界の住人であるかのように
私はあなたの世界では
登場人物の一人だった