2021-01-01から1年間の記事一覧

あくび

電線に小鳥 縮こまる朝に 陽だまり 猫あくび 狭い部屋から窓から 音のない風が揺れてる ベランダで忘れられて 枯れかけた花 手遅れかな 今だから話したいことが あったようなないような そんな気がした 分かってるはずなのにまた 今日が終わる 何気ない ひと…

雨の月曜日

雫流れる ガラス窓 留めておけない世界を 意味だらけの日常 とぼとぼと辿れば 広げた傘 透明のいのち 透けたまま滲んで沁みた 少しずつ壊される身体 うやむやにしないで 私のことを 確かなものが どこにもないなら グレーの空に 隙間さえないなら

見たことない世界 会ったことない人達 憧れるまま そうやって生きてこれた 子どもの髪を乾かし伸びた爪を揃えて 憶えていない誰が私にしたように それは いつでもそばにある あまりに当たり前に 時が どれほど通りすぎていっても なぜか繋がってる 出会った…

星めぐり

ちょっとこなれた話しぶりで うまくやった気になってるだけで それを一切合切 抱きしめて 夜空に解き放って 輝く 君が見てきたものを 隣 寄り添って 数えながら眠ろう 母のオルゴール 窓辺で聴いていた ひんやりと響いた 星になった 知らない先祖が 紡いでき…

贋作

変化

黄昏の中をたどりながら 明確に思える目の前の今日も 過ぎればすぐに朧げで 数を数えて分類し片付けても 何一つ正しく捉えきれず あなたという情報は 絶えることがない 川 いつもあたらしく 風 たえず混ざり合い 拡散する木漏れ日 朝を呼ぶ さえずり 君がそ…

夕立のあとの風 オレンジの家路 汗で冷たい背中 急いで行くよ 急いで行くよ 雲間の星も つゆの草むらも 商店街の匂いも 世界の煌めきのすべてを 君にわたしたいよ 君の居場所になれるなら 寄り道しないよ 目に映るものを変えたのは 君だよ この世界のどこか…

窮屈

固まった身体 伸びをした 流し込んだビタミンソーダ 罪悪感を流すように 動画や音楽を漁り続けて それでも埋まらない理由 優しい君の悲しみだって きっと的外れだろう 言葉は単調で表現は一律に

わからないことをわかるようにして できないことをできるようにして 歩かなければいけない 進まなければならない 朗らかでなければいけない 怒ってはいけない 前向きでなければいけない 夢がなければいけない 人のためにならなくてはいけない キチンとしなけ…

あくび 電線に小鳥 縮こまる朝に 陽だまり 猫あくび 狭い部屋から窓から 音のない風を見ていた 何気ない 喜び 確かめるように 洗濯物 畳む君 サビの一節をなぞるから いつのまにか僕にうつる ベランダで忘れられて 枯れ落ちた花 やっと気づく 今だから話した…