あくび

 

電線に小鳥 縮こまる朝に

陽だまり 猫あくび

狭い部屋から窓から

音のない風を見ていた

 

何気ない 喜び 確かめるように

洗濯物 畳む君

サビの一節をなぞるから

いつのまにか僕にうつる

 

ベランダで忘れられて

枯れ落ちた花 やっと気づく

 

今だから話したいことが

あったようなないような

そんな気がした

分かってるはずなのにまた

今日が終わる

 

車窓を流れる見慣れた街並み

何気ない 日々の

本当の価値に気づかずに

 

少し前の君が

どんな顔をして笑ったのか

いつのまにかぼんやりして

 

夜通しで電話をした

遠い日はまだ二人のもの

 

明日では話せないことが

あったような ないような

そんな気がした

分かってるはずなのにまた

明日も過ぎる