泳ぎ疲れて

恐れを抱いている

未来を恐れているのだ

 

責任で重みを増した肩をまわし

多重に積み重なった未解決の事案を

ひとかき ひとかき

自分はどこにいるのか

広大な海に投げ出され

自分がどこにいるのか見えない

日が暮れかかる

非難や落胆のため息が聴こえる

 

何事もないことを願い 今をただ費やし

これが終われば楽になれる

そこまで行けば陸地が見える

だがまたすぐに波は押し寄せ

小さな喜びを打ちのめす

 

僕はなぜ泳いでいるのだろうか

息つぎは一瞬の解放でしかなく

終わりのない遠泳はつづく

 

あの自信はどこへいった

特別はどこへ

心の喜び

美しさに胸が静まるような

 

おれはこれまでどうやって

生きてきたのか

生きることは

いつだって難儀だったはずだ

それなのに

ここにきてどうして

こんなにもしんどいのだろうか

 

海は得体の知れない暗闇

泳ぎをやめれば波に飲まれる

水平線はひたすらに遠い

 

砂浜を歩きたい

足の裏で大地を感じ

安心したい