光と影

 

家族と一緒にいるおれ

仕事中のおれ

 

全然ちがうと友人が言う

 

仕事中は

頭から煙を出し

右往左往し

窮屈そうで

怯えきっているんだとか

 

3年間 そんな中にいる

 

そうなると分かっていて

なぜおれはこの世界に

飛び込んだのか

 

世間を知りたかったから

命のことを知りたかったからだ

 

知ってからのおれはどう変わったか

知識と常識は記憶したが

おれの中に浸透しただろうか

 

死について知らなさすぎた

生について考えなさすぎた

 

おれは死について少しわかった

おれは生について少しわかった

 

人生の怖さを知り

人生に初めて怯えた

 

その時

子どもを授かった

怖くもあり喜びでもあった

すべての物事に

光と影が混在していた

 

影が強いと

小さな光に胸が痛んだ

 

怖くて怯えることで

人に優しくなれた

 

傷つくことを避けたくなった

向き合うことから逃げ回った

 

罪悪感だけが募っていった