不明瞭な命

 

救いたい 助けたい

言葉は若干の甘みを含み

停止した体は壊れているが

命だけが再開される

それをコントロールしてると

勘違いしながら

自分は誰かを助けていると

そう願っている

 

わたしは誰も救っていない

むしろ自分さえ助からない

 

しくみやルールを

身につけて

またそれに囚われながら

命の連続性だけを

答えだと盲信する

 

はたまた

聞こえないい言葉

見栄えのいい行動

ふりまくことで

許されようと尽力している

 

慣れきった作業に甘んじ

未熟な誰かをはけ口にして

自分を疑わない

 

日々積み重ねる自分の命さえ

その目的を失い

命の報いを人からの感謝に

委ねている

 

温かいタオルを信じ
血濡れた口をぬぐうことや
溢れた汚物を拭き取ることを
信じるしかない

 

わたしたちは

なにひとつ明瞭とせず

漠然の生命に答えを得るため

価値をつけるために

葛藤を続ける

 

むしろその葛藤そのものが

命なのだが