死はどれだけ近くまで忍び寄っているだろう
一つのボタン掛け違いで帰らぬ人なった人たち
見上げた星の数ほどいる
どうして私の家族 私自身は死の影なく
こうしてここにあれるのだろう
未来を確信しくだらないとも思える
些細なことに頭を悩ませて
未来や将来を語り
笑い怒り傷つけあって眠れている
本当は死はパートナーのように横にいる
親や子、友や恋人が重く患ったり
あるいは唐突に死に別れたり
時には殺されたり
そんなことは毎日起こっている
コロナウィルスで都内が封鎖になる
重く患い苦しむ家族が分断され会えない中で
祈るように眠れぬ朝を迎えた人も大勢いる
私の家族はそうならないとは言えない
昔は死が近かった
飢えがあった 病があった 争いがあった
次々に人は死んだ
でもそれは違う
遠ざかった気になったのは現代の日本人だけ
今までもこれかも貧困な地域はある
戦争も続いていて今も血が流れている
飢えや病や争いはずっとある
私たちが死を理解できなくなっている