気球

嫌なことがないこと

面倒がない日々は

安心で楽だ

 

食器や衣服を使っては洗い

おもちゃを遊んでは片付けて

使った布団を畳んでは敷く

滞りなく進むことなく

そこに子どもたちは割り込んで

慌ただしく過ぎる

繰り返し終わらない日常

 

続く日常はやがて死により終わり

それが私の人生になる

 

平穏とはなにか

 

心の真ん中に灯した火

喜びを膨らませてみる

ごった返し片付かない毎日から

そっと心の気球を上げて

 

人や街は小さく

ビル群さえ星の瞬き

雑踏は消え風もない

生活とは滑稽だ

苛立ちや競争や

期待や批判は

塵のように舞うだけで

生きることも死ぬことも

滑稽だ

 

こだわることはない

しがみつくものはない

ずっと与えられていた

心の火について気づいているなら