日常は束の間であることを隠している

YouTube倉本聰の言葉を探して観ている。

自然。豊かさとは。素朴さ。

実際に土に触って耕して草花や野菜を育てている人たちには、どこかで絶対に勝てないだろう。

感謝を口にしても、言葉に力がない。

雨土と接点なくして本当の感謝には届かない。

 

今ある当たり前。

立派で快適なマンション。

毎晩、大浴場。使おうと思えばサウナもある。

道具や物も揃っている。溢れている。

子どもたちも育ち、支えてくれる家族もいる。

仕事も滞りなく、身体も健康。

 

一方で慎ましいといえば慎ましいのか?

いや、彩りがなく楽しみ方がないと言える。

使えているものに限りがある。

服はいつも大抵同じ。カバンも財布も。

同じ駅を往復し、同じ地域で同じ道を繰り返し回っている。

お金はあまり使えない。

食事に贅沢をしている。

無添加、安全なものを選んでいる。

 

込めて生きるとは何だろうか。

リッチとは違う豊かさとは。

子どもたちと川の字で眠る嬉しさとは。

身体がバキバキでよく眠れない不満もあるが。

当たり前に見えて今しかないものたち。

 

子どもたちとの日常も、

健康も、仕事も、心の余裕も。

束の間であるという真実を隠しながら

まるで永遠に続くような様相で、

次から次へと波の様に寄せて

ただただ飲まれないよう溺れないよう

費やすばかり。