卑怯

 

僕は話しかける

人懐っこく

 

ほめられるために

好かれるために

笑顔を返してほしくて

 

受け入れてる

認められてる

そう感じたいから

 

僕は話しかける

笑顔を向ける

おどけてみせる

 

全ては自分をわかってほしい

そのために

 

人に優しくする

自己憐憫から

 

かわいそうな

弱い自分に

いいよ いいよ

大丈夫だよ

って言ってあげる

言ってほしかったから

 

すごい

えらい

尊敬する

 

そう思われたいから

言葉を並べる

着飾った聞こえのいい言葉を

 

試練や苦難の中にいる人たちを

利用して

自分って優しいでしょ

優しいねって言ってよ

 

本当にその人を愛してるのではなく

愛してるような顔をして

 

押し付けている

体に触れ声をかける

触れられたくない

静かにしてほしい

もしかしたらそうかもしれないのに

 

僕は僕を押し付けながら

頼まれもしないのに

優しくしている

優しくしたいからって

 

認められていない時

僕は本当に弱くなる

臆病になり

小声になり

ふるえてる

 

嫌われるかもしれない

そう思った時

媚びへつらう

全部自分のために

 

人を悪く言う

都合が悪い相手を

まるで自分が正しく

いい人間のように盛り立て

相手はダメなやつで

私は被害者であるというように

 

卑怯だ

努力もせず怠惰な自分を

許すために

謙虚な態度も

無責任からだ

 

先輩面して

中は空だ

慣れただけだ