悲しみのままで

西陽が溶け出す 透明な時間

駅構内に飲み込まれる背中

「またね」だけが耳に残った

 

ポツポツと家々のお帰り

一番星を探そうなんて子どもだまし

正論や励ましでは分かり合えないと察して

 

欠けてる月が満ちるまで

待て無いとしても

 

悲しみは悲しみのままで

君になっているなら

あたらしい喜びを

私が並べておくから

ここにいていいんだよ

 

枯れそうなプランター

諦められて目を背けられて

みんな自分に夢中だから

光を求めて

 

渇いた風が

草花の希望をかき集める

 

喜びは喜びのままで

つい疑ってしまうなら

あたらしい温もりを

何度だって届けるから

ここにいていいんだよ

 

捕まる場所を探して

もがくほど溺れて

ほしがらないで見つけて

すでにそこにあるから

 

悲しみは悲しみのままで

君になっているなら

あたらしい喜びを

私が教えてあげるから

ここにいていいんだよ