私だけ

 

日差しに揺れる緑から

空の色までわかる

どこにも行けない私に届く風もある

 

どれだけの時を生きても

自由なはずの心をしばるのは

いつも私だけ

 

夜には月のボートが

宵闇に独り彷徨う

天の川に身をゆだね

誰も知らない別れもある

 

どれだけ愛に生きても

手放す勇気が持てずに

いつも独りきり

 

ミントの気泡 冷えたモヒート

戯れや宴さえ 遠ざかる賑わい

得たものは失われ

底に残った一握の煌めき

 

どれだけ違うと言われても

生きて来た時間を失くしそうになる

いずれ私だけ