静かな雨
微熱のベイビ
母の胸にうずもれて
ぐずぐずひんひん
でもほんとは安心
ずっと泣いてていいんだから
傘の中 車の音 小学生の列
しっとりと濡れた街並
4ヶ月たった
わたしたちの宝物
うとうとしたり
目をキラキラさせたり
口をぽかんと開けている
交差点の向こう手を振る
仕事にいくわたしが
見えなくなるまで
傘を高くあげて応える
大きなトラックが二台
通り過ぎたあと
二人の姿は街に溶けた
夫婦は
小さなことがらを
ややこしくして
言い合って
どよんとして
涙こぼして
雨がやむように
こんな日も
ただ過ぎ去っていく
晴れの日の陽射しに目を細めて
雨の日の水たまりに足を濡らして
そのどちらも悪くない
こんな日もまた
素晴らしい日
そうかもしれない